30口径ダミーカートをWW2米軍仕様にする。

30-06ダミーカートをネックの焼きなまし処理とプライマーのシーリングで軍用仕様にします。

 いままで30口径弾のダミーカートづくりでは、フルメタルジャケット弾頭と薬莢を組み合わせていただけでした。しかし、軍用弾は薬莢のネック部分に焼きなましの処理があること、プライマーにはシーリング処理が施してあるので、それを再現することにしました。

 焼きなましは、 射撃時の薬莢破損が原因で排莢不良を起こすことを防ぐ目的で行われます。加熱と冷却によって金属にねばりを持たせてネック切れをしづらくさせます。バーナーをつかって火で真鍮の薬莢を炙ると、すーっとキレイな紫色に変わります。

 プライマーのシーリングは防湿目的です。WWII米軍では、赤や紫のシーリング剤が使われていたようです。ネック部分にもシーリングしているものもあるようです。今回はプライマー部分に接着剤を使わず塗料でシーリングの風合いを再現しました。軍用はもっとラフな塗り方です。プライマーにも色が付いているものもありますから、この仕上がりだとお上品すぎるかもしれません。

 最近はダミー爆薬をつくる過程で実物との重量の違いも気になるようになってきたので、ダミーカートでも同じようにすることにしました。実物のパウダーと同量の活性炭も薬莢に入れて弾頭をはめます。振るとシャカシャカと実包と同じような感じがします。実包との識別点はプライマーに撃痕がある点です(正確には不発弾という見方も出来ますが…)。

 弾頭の先端を黒く塗った徹甲弾仕様もつくりました。やはりネックに焼きなましがあると、より軍用実包に近づいた感じがします。これまで機関銃用につくった250発のダミーカートは作り直しになりますね…。

 ところで、このダミーカートには外観上まだ足りないものがあります。弾頭の脱落防止を目的としたクリンプです。薬莢のネックに位置する部分の弾頭についているギザギザの溝ですね。民生品でも軍用に似た溝ありのフルメタルジャケット弾頭があり、国内で比較的容易に購入できますが、いまはあえて溝なしの弾頭をつかっています。好みの問題ですが、その理由はまた別の機会に書きます。

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