60mm迫撃砲の木箱を再現する。

第二次世界大戦の終わり頃に工場から出荷された時の60mm迫撃砲の梱包木箱を再現しました。

兵器の梱包は、基本的に工場から出荷されて前線に届くまでの間だけ必要なものです。返却が予定されることは稀ですから、兵器を取り出したあとの木箱は、ほかの用途に流用されたり、薪として燃やされるため、現物はほとんど残っていません。

兵器用の梱包木箱の再現については、こちらの「M1919機関銃用の木箱を再現する。」もあわせてごらんください。

前回に再現したM1919A4機関銃の木箱と同様に、60mm迫撃砲の木箱も現物が非常に少なく、今回は過去に出品があったインターネットオークションやフォーラムへの投稿画像をもとに再現しています。梱包教範にも紹介がないことから、このように実物の60mm迫撃砲をもとに各部のサイズを決めて制作しています。

今回再現した木箱は、60mm迫撃砲M2を1門と照準器を収納します。国産の杉無垢板をつかい、外箱・蓋・托架を再現しています。

托架は収容物の動揺を防ぐ目的のものです。実物通りに砲身・砲架・床板を固定できるようになっています。照準器はレザーケースに入った状態で隙間に収納されていたようです。無垢板をつかっているために、反りなどで各部にじゃっかんの隙間があるほか、托架も仕上げが少し粗い部分がありますが、実物も似たような感じだったようです。

マーキングは、1945年に砲架がM5に改修された際に納入された短期収納木箱を再現しています。マーキングにある「M.O.W.」は改修指示作業、「A43」は迫撃砲の兵器リスト番号です。納入年月は砲架の改修作業が発令されてもっとも早い45年3月としました。ぎりぎり第二次世界大戦のアイテムということになります。

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