先日に試作した九二式重機7.7ミリ弾を600発収納する木製弾薬箱。週末のイベントに持ち込んだところ、好評いただきました。関心のある方がご自身でお作りになれるように作り方を公開します。
※本稿掲載後に実物の木箱を入手し、それをもとに再製作しています。再製作にあたり、本稿で記載する内容及について一部訂正すべき部分があります。新しい図面も掲載していますので、ご関心のある方はこちらの記事「日本軍機関銃用弾薬“素箱”の再現」をご参照ください。(2021年2月27日追記)
板厚21ミリの杉無垢材を利用して作る方法です。私はカットサービスのあるホームセンターで購入した板材を下記の指示書でカットしてもらいました(2個分)。幅240mmの板材で、長さ3650mmと1820mmのものを1枚ずつ使用しています。これで側板8枚、天板・底板4枚、麻縄を通す補強板8本の計2箱分が取れます。ご自身で切れる場合は、板取りの内訳としてお使いください。図中の(1)~(11)はカットの順番です。
4枚の側板は、短い方がオス、長い方がメスの切りかけを組み合わせる形になっています。オスの切り欠けは四辺を落とすだけですが、メスの切り欠けは、鑿を使ってキレイに仕上げるのはコツが入りますので、自信のない方はカットサービスを使うのが無難だと思います。 こちらが切り欠けの指示図です。
持ち手の縄を通す補強板は、両端角度70度の平行四辺形です。縄を通す部分を一箇所くり抜きます。麻縄はホームセンターの在庫の関係で12ミリのマニラロープを使用しましたが、10ミリロープでも良いと思います。長さは1本あたり1メートルです。
短い方の側板に標記するステンシルです。私はカッティングマシンでマスキングシートを作製しましたが、この画像を原寸大でプリントアウトして黒い部分を切り抜き、再剥離可能なスプレー糊で貼り付けて上から黒のスプレー塗装でも可能だと思います。
偽装塗色については、塗色を指示した通牒文書が見つかりませんので、現存する実物画像を参考に、緑と茶をまぜたペンキで刷毛塗りをしています。標記のある面も塗色はあったようですが、標記を見えやすくするために、今回の試作では塗っていません。
製作にあたっての注意点としては、無垢材は店頭で販売されている段階ですでに反っていることが多いため、組む前に反りを出来るだけ直す必要があること。この場合、反っている裏面に水をつけて、反対側を表にして日光で乾かすと裏側に反って真っ直ぐになります。ただ、完全に真っ直ぐにはならないので、組み立て時は隙間が出来ないように、木ネジ(平頭のマイナス)か、ねじりのある釘を使うのが良いと思います。