第二次大戦時の30口径機関銃用の携行式アーモボックス。初期の頃は木製のものが使われていました。しかし、大きくかさばるため、戦車や装甲車の車内では使いづらいことから、コンパクトな金属製のアーモボックスが試作されました。それがT4型です。
このように防錆の赤色でペイントされたものと、車載ラックで使われた白色でペイントされたものがあります。海外オークションでは、赤色の方を見かける機会が多いようです。
このT4型は、後に第一線歩兵も含めて広く使われるようになるM1型へと発展しました。このため、生産数はそれほど多くなかったようです。
正面には“AMMUNITION OHEST CAL 30”と書かれています。ブローニングM1919機関銃の30-06スプリングフィールド弾をベルトまたはリンクに通して収納します。収納弾数はおよそ200発です。200発用ベルトを1本または100発用ベルトを2本収納します。携行目的ではないので、M1型のような持ち手は上蓋には付いていません。
上蓋は分離式です。このように裏返してみると、白色の方は赤色のものをリペイントしたものだとわかりますね。当時の車載ラックの教範を見ると、すぐに弾薬を装填できるように、上蓋を取り外してラック内に収納していたようです。側面についている輪っかは、ラックから引き出すときの取っ手として機能するだけでなく、くるりと回すことで上蓋をロックする機構となっており、よく工夫されています。