以前にもご紹介した空冷式のブローニング30口径機関銃用(M1919A4/A6など)に製造されたキャリングハンドルです。同じものが3つ手元にある機会もそうないでしょうから比較してみます。
いずれもコントラクトナンバーである「7312973」が刻印されています。金属部分は、一番右端が退色が進んでいぶし銀になっています。真ん中は黒の塗装が残っています。左端はパーカライジング処理でしょうか?異なる部分は、わっかの部分を留めるネジだけです。左から無刻印、「M」の刻印、「A」の刻印です。ネジの規格は同じです。
「M」の刻印のネジには、鋸刃状のワッシャーが付属しており、本体の留め具が接した部分に傷が残っています。
サンプルで銃身に取り付けた様子です。放熱筒に通して銃身近くに取り付けます。このキャリングハンドルは、取っ手は基部から中折れ式となっており、ロック機構もないシンプルなつくりですが、銃身に取り付けた時の携行性は非常に優れています。
ブローニングM1919機関銃用のキャリングハンドルは、1943年頃には採用されていますが、今回ご紹介したA4/A6共用の中折れ式キャリングハンドルの採用は、大戦末期の1945年4月頃で、第二次大戦にはお目見えしていません。時代考証的には、朝鮮戦争以降~ベトナム戦争の時代までと言ってよいと思います。