そういえば今回は鉄砲が一丁もない展示でした。
2019年3月31日に浅草で開催されたVショーでリエナクトメントグループBCo/100bnの展示に参加してきました。当日、ブースにご来訪いただいた皆様、ありがとうございました。多くの方にご指摘やご意見もいただき、とても充実した1日を過ごすことができました。
今回の展示内容は、WWⅡ米軍工兵・衛生器材の展示でした。工兵や衛生の多様な任務のうち、第一線歩兵に随伴しておこなう作業に力点をおいて、工兵は築城と破壊、衛生は火線下での応急処置と収容にかんする資器材を展示させていただきました。
築城コーナーでは、各種の大小土工具や偽装網、麻土嚢袋などを展示させていただきました。歩兵が携行するシャベル(円匙)などはお持ちの方も多いと思いますが、大きな土工具は見る機会もあまりないと思います。
これらの土工具は、グループのメンバーが持ち寄ったコレクションですが、同時にリエナクトメントで実際の土工事でつかう道具でもあります。実際につかってみて初めて意味がわかること、気付くことがあるのがリエナクトメントの楽しみでもあると思います。昨年のMVGでイベント内企画としておこなった掩体再現は、そのような経験が出来るまたとない企画でした。今回の展示では、昨年の掩体再現でつくったパネルも紹介させていただきました。ご関心を持って内容もよくお読みいただいた方も多かったようです。
破壊器材コーナーは、爆薬類と起爆につかう器材を展示させていただきました。爆薬類は一部の実物不活性品や教練用ダミーを除いて紙と粘土でつくったレプリカですが、ふだん目にする機会もありませんので、多くの方にご興味を持っていただけたようです。重量も実物に近く再現しているので、梱包爆薬などはお仕事で扱われた方々に持っていただき、昔の重く難儀した記憶が蘇るとの感想をいただいた方もいっしゃいました。
本来であれば、破壊器材とは別に地雷処理・敷設についてもコーナーを設けて展示する予定でしたが、処理に関する器材の準備が間に合わず、破壊器材と一体の形での展示となりました。地雷処理については、機会があれば一度しっかりと展示をしたいと思います。
なお、今回の展示では、探知針が処理関係で唯一の器材展示となりましたが(上の写真で展示机の前方にある棒状の道具です)、これはめったに見ることのできないレアアイテムだったと思います(私も初めて見ました)。
破壊器材の展示で一番人気があったのは鉄条網を破壊する棒状爆薬のバンガロール破壊筒でした。映画「プライベートライアン」冒頭のノルマンディー上陸シーンで登場した記憶が皆さんのなかで印象深いようです。
バンガロール破壊筒は、長さ約1.5メートル、径5.4センチの炸薬の詰まったパイプ状の本体を、ソケットで接続してつかいます。今回の展示品は実物のソケットにあわせて本体を再現しましたが、製作時間に限りがあったこともあり、満足のいく出来ではなかったのが残念です。バンガロール破壊筒の再現は、近いうちにリベンジしたいと思っています。
衛生資器材は、衛生兵が所持携行する包帯や各種の薬品類(一部外装のみ)、止血帯などの応急処置器具と、傷者を担送するための担架などを展示させていただきました。第一線で傷者救命にあたる衛生兵は止血と感染予防をおこない、それ以上の処置は後方の医療機関になりますが、それでも様々な資器材を携行していることがわかる展示でした。
エアガンをつかったゲームでは歩兵以外の選択肢があまりないですが、ミリタリーの世界では第一線歩兵を支援する職種が多く存在します。人員や組織、予算でみれば、むしろ支援職種の規模の方が大きいぐらいです。今回はそのような支援職種のなかでも、第一線歩兵に随伴する機会が多い工兵と衛生についてご紹介をさせていただきました。今までにない珍しい展示だったと思います。多くの方に見ていただけたのは、とてもありがたいことです。
しかし、今回の展示は工兵と衛生のほんの一部を切り取っただけで、内容もまだまだ不十分です。今後、自分自身も精進を重ねていきたいと思っていますが、もし今回の展示で自分も再現を目指したいと思われた方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、BCo/100bnのリエナクトメントに参加してみてください。素晴らしい思い出と仲間をつくることができると思います。
リエナクトメントグループBCo/100bn