2年ぶりのイベント参加です。

2020年9月20日に千葉県で開催されたイベントにBCoのメンバーとして参加してきました。イベント参加は2年ぶりです。野戦電話の架線と通信の基本を演練してきました。

 今回のイベント「軍装うろうろ撮影会」は、サバイバルゲームのフィールドをお借りしてはいますが、エアガンは使用せず、参加者が自由に談義や物販や教練を楽しむ、自由で和やかなイベントでした。新型コロナウィルスによる接触制限で、ほぼすべてのイベントが自粛中止を余儀なくされてきました。ようやく状況が落ち着いたなかでの久しぶりのWW2イベントということで、多くの皆さんと顔をあわせることができました。主催者の@nagatasub4455さん、ありがとうございました。

 イベントでは、主催者さんの意向に呼応して、参加者各位が持ち寄った日独米の野戦電話器材が集合し、操作方法などの知見共有がおこなわれました。イベントは午前10時から午後4時と、およそ半日の短い時間でしたが、非常に内容が濃い、有意義な時間を過ごせたと思います。BCoでは午前中に糧食再現と喫食、午後に有線構築の教習をおこないました。以下で時系列にイベントでの活動内容を紹介し、あわせて当日のレギュレーションと使用器材、当時の歩兵部隊における通信手段についてご紹介したいと思います。

 午前中は糧食再現と喫食です。グループレーションの10in1を再現したものになります。缶詰とクラッカー、粉末のインスタントコーヒーなどがセットになったものです。ライフル中隊には、コールマンが軍に納入したシングルガソリンバーナーが12台配備されており、このようにレーションを調理する目的としてもつかわれました。少しでも温食として美味しく食べられるようにという分隊長の心遣いが嬉しいですね。各自のメスキットに配膳して、美味しくいただきました。

 13時から有線の構築にかんする教習です。まずは座学で、器材の基本的な扱い方、架線や結線の仕方などを学びます。有線で通信が途絶する原因が短絡と断線です。ともにちょっとした工夫で防ぐことができますが、実際に学んでみると、非常に納得します。

 座学のあとは、森林内に移動して、実際に架線をしたうえで、電話機をつかった通話応答テストを実施しました。樹や草などの地物を利用して、架線をしていきます。通話は、EE-8野戦電話機と音声通話器TS-10でテストをおこないました。フィールド内の架線は約100メートルと短いものの、リールに約400メートルの有線を巻いた状態でテストします。70年以上前の器材で非常にクリアな音声が聞こえることに驚きとともに、実用性の高さを実感しました。

 BCoでは、リエナクトメントの実践として、演習やイベントに応じて、都度、史実を想定したレギュレーションを設定しています。今回のイベントにおけるレギュレーションは次の通りです。

レギュレーション

【想定部隊】アメリカ陸軍 第34歩兵師団第133歩兵連隊第100歩兵大隊B中隊第3小隊

【被服・装備】
※複製品、代用品の使用可。代用品についても複製品に準じます。
※「推奨」はあるとより良い物を指します。
※「☆」印は装備位置を示します。

・被服(すべて必須)
ODサマースリーブレスアンダーシャツ/ODアンダードラウアー/ODウールクッションソックス/ウール(マスタード)シャツ(34師団章着用)/ウール(マスタード)トラウザース/トラウザースベルト/気候によりODフィールド(M41)ジャケット(34師団章着用)/サービスシューズタイプⅢ(いわゆるM43型ラフアウトブーツ)及びレギンス/レインコート(☆ハバーサック)

・装備(共通)すべて「推奨」
ハバーザック/Tボーンショベル(☆ハバーサック)/ガスマスクバック(ライトウェイト)カーキ(面体無くても可)/M1ヘルメット(34師団章ペイント必須。固定ベイル推奨、可動ベイル可、プラスチックヘルメット不可)/ハーフテント(OD、カーキ共に可、カーキ推奨。スナップボタンのタイプは不可)/ウールブランケット×1(☆テントロールで携行:推奨)/メスキット(☆ハバーサック)及びメスキットポーチ

・装備(腰周り)
ライフル装備:M1923カートリッジベルト/水筒(☆右腰)/包帯ポーチ(☆左横)/銃剣(☆左腰またはハバーサック)
カーバイン装備:ピストルベルト/包帯ポーチ(☆左腰)/水筒(☆右腰)/マガジンポーチ(☆左前)/ナイフ又は電工ツール(☆左腰)(任意)

・装備(火器)
M1ライフル及びバンダリア 1~2本(任意)/手榴弾 1~3発(任意)/今回はM1カーバイン可

・「推奨」被服及び装備ならびにハバーザック入組品
防寒アンダーシャツ(着用は任意)/防寒アンダーパンツ(着用は任意)/ドックタグ(ボールチェーン。又は紐)/ニットキャップ(形状、色が著しく違う複製品は使用不可。実物推奨)/ハンカチ/M36サスペンダー(ストラップ切断品のみ使用可能)/M1ヘルメット(固定ベイル)/ヘルメットネット(スモールメッシュ官給型。他は不可)/ウールクッションソールソックス 1~2足/レインコート/メスキット/ハックタオル/洗面セット

これらの装備類は原則、自弁でご用意いただきますが、「どうしても○○だけ用意が難しい」等の場合、余剰品のレンタルもしくは販売できる場合もあります。ご相談下さい。
ウール、金属アレルギー等有る方はご相談ください。

【その他】
髪型はサイド、後部は短く、モミアゲは耳の穴より上で整えて下さい(長髪の場合分からない様に極力工夫して下さい。)
眼鏡はボストンフレーム。
時計は当時のスクエア又はオーバルタイプの私物品、同等品以外は着用不可(服薬等で時計が必要な場合、事前にご相談下さい)。


【階級(役職)】※事前に指名
基本的にPvt 兵のみの募集です。階級章についてはこちらから指定する他は着用無しでお願いします。

 レギュレーションにあわせて用意した個人装備です。中隊本部所属の伝令もしくは大隊通信小隊から派遣応援された通信兵の想定になるかと思います。このほかに被服と野営具(テント及びブランケット)が加わりますが、当日のイベントでは軽装での教習となりました。

 イベントで使用した器材です。左上からCS-34電工具セット(TL-29電工ナイフ、TL-13電工プライヤ、レザーケース)、EE-8A/B野戦電話機、C-114回線増幅器、RL-39リールユニット(DR-8Aリール及び有線、ST-34/35ストラップ)、TS-10音声通話器です。WW2米軍歩兵部隊では、ライフル中隊がRL-39とTS-10の組み合わせで構成するCE-11ユニットを2セットで、無電池音声通話2回線が規定装備になります。電話機は大隊通信小隊の装備です。

 最後に、1944年のフォートベニング歩兵学校の資料に基づいて、当時の歩兵部隊(大隊及びライフル中隊)の通信器材及び構成についてご紹介します。

 この構成図は、1944年時点の歩兵大隊内における連絡手段と構成を示したものです。各中隊との連絡手段は有線(TELEPHONE)、無線(RADIO)、伝令(MSGR)、信号弾(PYROTECHNICS)です。信号灯(LAMP)は1944年に廃止されているので記載がありません。∞マークは空地連携でパネルなどをつかいます。

 図の中央にあるライフル中隊との連絡手段のうち、有線と無線について着目してみます。まず有線には「CE-11 or EE-8」とあります。CE-11は、ライフル中隊が装備する無電池音声通話回線です。EE-8は大隊通信小隊から貸し出す電話回線になります。無線は「SCR-300」とあります。これもEE-8と同じく大隊通信小隊から中隊へ貸与されるものです。

 当時の無線機の限界(電池と電波)から、大隊~中隊間の連絡を無線に頼ることはすこぶる不便であると同時にリスキーでもあります。そこで有線を引いたうえで電話機(EE-8)を貸与されることも少なくありませんでした。この構成図はその実態を示しています。

 こちらの図は、同じく1944年時点でのライフル中隊内における連絡手段と構成を示したものです。ライフル中隊が編成上有する通信器材は、前述の通り、有線がCE-11による無電池音声通話2回線、無線はハンディタイプのSCR-536が6台です。CE-11による有線は、大隊間との連絡に1回線をつかうので、残り1回線を火器小隊の60ミリ迫撃砲チームで観測につかいます。中隊本部と各小隊間は無線で6台のSCR-536を充てます。各小隊に4台と中隊本部に1台ですから、残り1台は予備と考えられます。

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